映像化された小説

『七つの会議』の世界を旅する。

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書籍情報

『七つの会議』  池井戸 潤

 

七つの会議 (集英社文庫)


2012年11月初版発行。

池井戸潤といえばドラマ「半沢直樹」から一躍脚光を浴びた作家ではないだろうか。
ちなみに僕もドラマから著者の名前を知りました。

”サラリーマン”を代名詞とした、いわゆる普通の人が主人公であることが多いですね。

この『七つの会議』も東京建電という会社を舞台に繰り広げられる、登場人物それぞれの人間模様とそれぞれの”働く”という事に対する信念が見える物語です。

シリーズ化されている物語が多いですが、この『七つの会議』は読み切りとなっています。

 

あらすじ

ソニックの子会社である東京建電で起きた小さな異変。営業一課長で営業部のエースと周知される坂戸。彼は最年少で花の一課で課長を努めるやり手の営業マンだった。

そんな彼が、パワハラ委員会にかけられて急遽人事部に更迭されるという処分となった。

いったい彼に何が起こったのか。
訴えを起こしたのは万年係長、眠りの八角だった!

老舗ねじやのねじ六の三沢逸郎は、坂戸の出した価格に困惑していた。
人件費や諸経費を切り詰めて、赤字ぎりぎりで出した値段が高すぎるとつき返されたのだ。

出来なければ結構。そんな態度で坂戸は帰っていく。
受注を見込んで生産ラインを組んでいた逸郎。資金繰りはさらに厳しいものになっていた。

そんな折、東京建電の営業一課長の原島という男が訪ねてくる。
坂戸が異動となり、新任だという彼は、ねじ六にねじの生産をして欲しいと頼んでくる。
以前坂戸が高すぎるといった値段でいいというのだ。

不思議に感じながらも逸郎は、その申し出を受ける。しかし腑に落ちない。

そんな逸郎はねじ屋の性から、ある重大な秘密に気づいてしまう。

 

8つの連続短編物語から見えてくる、それぞれの選択とは。。。

 

サラリーマンはドラマティックだ。

子供のころ、サラリーマンって聞くとなんだか普通で、面白くなさそうなイメージだった。
実際にサラリーマンになってみて、働くという事をその身で感じて、この小説を読んで、やっぱりサラリーマンってドラマティックだと感じます。
この小説は日本でサラリーマン、OLをする人そして企業の縮図なのだと思います。

それぞれがそれぞれに思いを抱え、それに押しつぶされないように、必死で笑っている。
そんな日常は、”普通”という言葉で片づけられる安っぽいものじゃ無い。

人それぞれにドラマがあり、社会そのものもまた、そんなドラマが折り合う生き物のような予測不可能な性格を持っているのでしょう。

単純に読んでいて面白く、ミステリ好きの僕にはとってもハマった一冊でした。

 

ちなみに、NHKでは4回にわたり原島万二(東山紀之)、八角民夫(吉田鋼太郎)、原島江利子(戸田菜穂)、佐伯浩光(田口淳之介)、坂戸宣彦(眞島秀和)というキャストを迎え2013年にドラマ化されたようです。僕は全く知りませんでした。機会があれば見てみたいものです。

NHK特設ページはこちら

 

今日も読んで頂きありがとうございます:)

 

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